Spring Science Camp 2013

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過去のSSC参加者の声

 石野響子さん(環境情報学部4年、当時高校2年生)
 私は高校2年生のときにスプリングサイエンスキャンプに参加しました。先端生命科学研究所はその名の通り最先端の設備が整っており、非常に充実した内容でした。ここで初めて所長の冨田さんと出会い、冨田さんの"試験のための勉強はやめよう、自分のしたいことのために勉強しよう"という言葉に衝撃、感銘を受けました。そして冨田さんのその考え方に惹かれ、この教授の下で研究をしたいと思い、SFCに入学しました。興味から応募したこのイベントが、まさか今後の自分の進路を決めるとは思っていませんでした。そしてチャンスは自分から掴みに行くものだと改めて感じました。SSCは私の人生を変えたイベントです。

 「サイエンスキャンプを通し学んだこと」(栃木県・高校2年生)
 私はこのサイエンスキャンプには自らの視野を広げたいという強い思いから参加をしました。2月の中旬に参加証が自宅に届いた時にはとても嬉しく信じられない気持ちでいっぱいでした。参加証が届いてからキャンプ当日の朝までずっとワクワクしていましたが、自分に最先端のバイオが理解できるのかという不安もありました。しかしキャンプが始まるとそんな不安はなくなりました。TAの方々や一緒に学んだ仲間たちとこれからのバイオテクノロジーについて熱く語り合えたことは私にとって貴重な経験になりました。クラスメイトの多くは研究などにはあまり興味がなく、ただ理系の大学に進学したいという人が多く、そのような中で研究している私は浮いた存在でした。自分は他の人に比べ変なのかと不安になっていたのですが今回のキャンプで考え方を変えることができましたし、熱く研究について語り合える同年代の友人もできました。特に冨田所長から言われた「個性を大事にしろ。普通の大学生、大人になるな」という言葉に深く感動しました。この言葉を今後の自分の目標として頑張ろうと強く思いました。
  自らの視野を広げたいという理由で参加をしましたが、このサイエンスキャンプで私は人生が変わりました。一生付き合える友を見つけることができただけではなく、冨田所長の言葉のおかげで自分は変じゃないんだ、と認識することができました。今回出会えた先生やTAの方々、仲間たちとはまた次のステージで必ず 会って成長した自分を見せたいと今、強く思っています。

 「将来の目標に」(東京都・高校2年生)
 このサイエンスキャンプでは非常に楽しく充実した3日間を過ごすことができました。学校で生物を履修していなかったのでバイオの研究所に行くのは最初少し 心配でした。しかし、講師やスタッフの方々がわかりやすく丁寧に最新生物学の基礎知識と実験の操作手順を教えてくださったので、そんな私でも非常にたくさ んのことを学ぶことができました。このサイエンスキャンプで得たものは主に3つあります。
 1つ目は最新の生物学に触れられ、世界最先端技術の一端を体験したことです。初日はマイクロピペットという非常に小さな量の液体を量り取る器具に手間 取ってしまいましたが、その後はCE-MSという世界最先端の装置を使って代謝物質の測定をすることができました。また、コンピュータ上で細胞の動きをシ ミュレートしたり、大腸菌に別のDNAを導入して光らせたりと、本当に普段見ることすらなかなかできないような実験ができ、有意義な3日間を過ごせまし た。
 2つ目は、自分と同じくバイオに興味を持つ仲間たちと知り合い、交流できたことです。普段なかなか興味が合う人と出会えない中、このキャンプで大勢の仲 間と出会え、考えを交換し合ったことは思い出に深く残っています。そして、この仲間たちと再び会えるのを楽しみにしています。
 3つ目は、自分の将来を決めるきっかけになったことです。このキャンプに参加する前はまだ自分の進路も漠然としか決まっていませんでした。しかし、この キャンプで色々な実験をして大学生の先輩方、冨田所長の講演も含め研究者の方々の話を聞き、自分も将来科学者になって生命科学の研究をしたいと強く思うよ うになりました。
 3日間という短い期間ではありましたが、人生の中で最も充実した3日間の1つになりました。このキャンプで得られた経験を生かして将来科学者となって、今度は自分が高校生たちにこういう体験をさせてあげる側になりたいです。

参加者の感想2013より引用

 「価値観の逆転」(静岡県・高校2年生)
 私は、特別よりも普通を、挑戦よりも停滞を選ぶような超保守的な考えを持っていました。人と違うことをすることにある種の恐れを抱き、できるだけ無難な生き方をしようと思っていました。しかし、今回サイエンスキャンプに参加して、私の考えは根本からひっくり返されてしまいました。
 冨田所長や、クモの糸の研究をなさっている研究者の方は、普通であることをはっきりと「つまらない」と切り捨てられましたし、一見普通の研究員に見える方々も人とは違った着眼点で研究に臨んでいらっしゃったし、何より一緒にこのキャンプに参加した仲間たちが本当に個性的で、全ての人に例外なく共通して、それぞれが皆人と違うことに対して目に見えるほど確かな自信を持って堂々としていたからです。私はショックを受けると同時に、自分がひどく感動しているのに気付きました。挑戦的であることを、こんなにかっこいいと思ったのは初めてでした。そして自分もそうなりたいと強く思い始めました。
 また、普段の生活の中では絶対に触れることのできない最先端の技術を自分の目で見て操作したことも、そう思うようになった大きなきっかけでした。中でも私が興味をひかれたのは、寒天を使ったDNAの電気泳動実験でした。物質がプラスやマイナスの電気を帯びていて、電流を流すとそれぞれ反対の極に移動することは知識としては知っていたし、学校の授業でも何度も教えてもらっていましたが、やはり実際に青と水色の色素が移動して行くのを見たときは、当たり前のことかもしれないけれど、本当に感動しました。
 私は生物を教える教師になるのが夢でした。でも、今回のキャンプを通してぜひ研究職につきたいと思うようになりました。教師になるのはその後でいいです。そしてその時には、冨田所長の言った「日本一の生物教師」になりたいです。こう思うようになれたのは、講師や研究員やアシスタントの方々、一緒に参加した仲間、そして所長のおかげです。本当にありがとうございました。


 「先端の技術に触れ、人に触れ」(山形県・高校1年生)
 このサイエンスキャンプは、私にはもったいないほど密度の濃い3日間となった。

 なんといっても、実習の内容に惹かれた。まず始めに教えてくださったのは、マイクロピペットの使い方だった。マイクロという日常では使わない単位に驚い た。「ピペット操作は基本中の基本だからね。」と言われ、私は何としてでもマスターしなくてはと思った。実際、簡単そうに見えても、1マイクロの違いが結 果を左右するので、慎重に練習を重ねた。その結果、しっかりと必要な量を取れるようになった。初めて白衣を着た私は、実習を重ねるうちに、すっかり研究者 気分に浸っていた。見たことのない器具や難しい操作も、講義をはさみながら、1つずつ教えてくださり、質問にも何でも答えてくださった。DNAのクローニ ングでは、班で増幅したDNAがちゃんと大腸菌に導入されていた時、自分が実験をやったという達成感と感動を覚えた。また、所長さんの講演では、注目され ている研究の状況や、現在問題となっていることを提示されて自分自身で新たに考えてみるのと共に、自分も将来そのような研究をしてみたいという思いが深 まった。

 全国から集まった同じ志をもった仲間との交流は、私にとって大変刺激が多かった。夜に行なったディスカッションでは、題が難しくなかなか意見が言えない 私に対して、私の知らなかった知識をフル活用させ話す仲間や先生方との差に、まだまだ勉強不足であったことを実感し、努力する事が見えてきた。

 この3日間は本当に充実していて、あっという間に過ぎた。一緒に過ごした仲間とは、最初の不安も消え、最後は名残り惜しいまでになっていた。私はこの キャンプに参加できたことを誇りに思う。将来が見えていなかった私に、一つの道ができた。このような貴重な体験をさせていただいた事務局やスタッフのみな さんには本当に感謝でいっぱいだ。最後にみんなへ、「またどこかで会いましょう」。



 「自分を見つめるサイエンスキャンプ」
(茨城県・高等専門学校2年生)
 「大腸菌の形質転換は42度で30秒間でないとだめなんだよ。じゃないと大腸菌が死んでしまったり、クローニングしたプラミドを取り込んでくれなくなったりするんだ。だからこれを見つけた人はすごいんだね。」

 “環境”このとき感じたことだ。大腸菌は42度30秒の間に最大の吸収力をもっている。今回サイエンスキャンプが行われた慶應義塾大学や生命科学研究所は、まさにそんな環境にあった。互いに刺激し合い最大限吸収し、自分の研究に力を注げる、そんな所だった。

 施設に入ってまず驚いたのは、施設が充実していたこと。どれも名前も知らない機械や器具ばかりだったが、一つ一つ丁寧に教えてくれた。

 実習で初めにやったのがマイクロピペットの使い方。初歩なのに気泡が入ってしまったりしてうまくとれず、これからのことが心配だったが、こういう細かいところが実は重要だということも学んだ。実習を重ねていくにつれて自分が無知であることを思い知らされた。特に丁寧に分り易いように教えて下さる中でもまだ理解できない事があったとき、それを痛感した。しかしそんな時は必ずスタッフの方々が助けてくれた。また、友達とも協力し合えた。様々な学校から来た友達と一緒に2泊3日過ごしたことで、情報交換だけでなく、何より心からサイエンスキャンプを楽しむことができた。

 このキャンプで沢山の研究者の方をみて、自分もそうでありたいと思った。自分の心に正直でありたい。そういった環境にいたい。

 顕微鏡でしか分からない程の小さな世界は思っていたより遙かに大きかった。私はそんな世界を覗いたに過ぎないかもしれないけど、そのことを気付かせてくれたサイエンスキャンプに心から感謝したい。

 殻に閉じこもっていてはいけない。この世界は自分の思うものより大きいはずだから。




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